インプラント Q&A

Qオール・オン・フォー(ALL on 4 )っていいんですか?

歯が全くない人の治療について 一時期4本のインプラントで10本分の歯を作り咀嚼を回復する オール・オン・フォー ALL on4という治療法が マスコミでも取り上げられて 一般の方からも問い合わせをいただいたことがあります。

インプラントの国際学会であるICOIでも ある年のポスター発表で ALL on 4 に関する発表が多数掲示されたことがありました。

ところが翌年の学会では ピタっと消えてしまいました。

ちょっと考えてみればわかることですが、歯が全くない人に たった4本のインプラントで10本の歯を作ることは 良い条件が重なれば可能でしょう。

しかし、例えばあなたがもし左手を骨折した場合 通常医師は約1ヶ月ギブスをはめて 自分の体の治る力で骨がつくのを待つよう患者に指示するはずです。

まさか、もしかしたら1週間で骨がつくかもしれないから 左手を使わないように気をつけてくれるなら ギブスをはずしてみましょうかとは言わないはずです。

同じようにインプラントと顎の骨が一体化するのには 自分の体の治る力で3ヶ月から6ヶ月待つことが 生物学的には必要であり、いくら固いものを噛まないように患者に指示したからといって インプラントを入れた日にすぐに噛めるようにしたら うまくいかないケースが出てくるのは当然ですよね。

実際、トラブルになっているケースもあると聞いております。

それよりも少なくとも6本のインプラントを入れて きちんと3ヶ月以上安静にして その間は仮の入れ歯を入れてしのいでもらい、その後インプラントと骨が一体化したのを確認してから 歯を入れれば恐らく100% 近く上手くいくのであるから 長い人生のうち3ヶ月くらいは待ってもらうようにしたほうがよいです。

実際海外留学経験もあり、米国の有名大学の歯学部の講師をしている ある歯科医師によると ALL on 4 を多数やっているのは日本と開発者のドクター・マロの 出身地ポルトガルくらいであり、しかも ALL on 4 用のインプラントである ブローネマルクインプラントは表面性状が一世代前のものであり、 今は骨とのつきが改良されたインプラントが出ているわけであるからあえてたった4本のインプラントで冒険するのでなく できれば6本きちんと長持ちする人工歯根を入れたほうが 患者さんにとってメリットがあると考えています。

このオール・オン・フォー ALL on 4 というネーミングは わかりやすいし見事です。

ただ、それが良いものであるかどうかは別の話です。

つまり、オール・オン・フォー( ALL on 4)よりも 6本インプラントを入れてオール・オン・シックス( ALL on 6)にしたほうが はるかに長持ちしてよく噛めると認識しています。